FL比率とは|飲食店の原価率とセットで見る数字を現役店主が解説

経営・お金

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和食店主が店のカウンターで帳簿と電卓を前に原価や経費の数字を確認している様子

飲食店の経営でよく聞く「原価率」。でも、原価率だけを見て「高い・低い」を判断するのは危険です。プロが本当に見ているのは、FL比率という数字。この記事では、原価率49%でも10年続けている店主が、FL比率をやさしく解説します。

FL比率とは|FoodとLaborの合計

FL比率の「F」と「L」は、こうです。

  • F=Food(食材費・原価)
  • L=Labor(人件費)

FL比率(%)=(食材費+人件費)÷ 売上 × 100

つまり、お店の二大コストである「食材」と「人」を合わせて、売上の何%かを見る数字です。目安は売上の50〜60%以内。60%を超えると、利益が出にくくなると言われます。

FL比率・FLR比率の目安(積み上げバー)の図解

家賃を足した「FLR比率」も大事

さらに、家賃(R=Rent)を足したFLR比率も重要です。

FLR比率 =(食材費+人件費+家賃)÷ 売上 × 100

FLRの目安は70%以内。家賃は売上の10%以内が理想とされます。食材・人・場所——この3つの固定的なコストをトータルで見るのが、儲かる店の考え方です。

計算してみよう

たとえば月商100万円の店で、食材費30万・人件費25万・家賃10万なら——

  • FL比率=(30+25)÷100=55%(目安内でOK)
  • FLR比率=(30+25+10)÷100=65%(70%以内でOK)

このように、残り(この例なら35%)から光熱費や諸経費を払って、最後に利益が残る。FL・FLRが重いと、いくら売上があっても手元に残りません。

なぜ原価率だけ見てはいけないのか|うちは49%

ここが本題です。うちの原価率は49%あります。一般の目安30%からすると、かなり高い。でも、10年続いています。

理由は、家族経営で人件費(L)がほとんどかからず、小さな店で家賃(R)も安いから。原価率(F)が高くても、L と R が低ければ、FL・FLRで見ればなんとか健全な範囲に収まる。「固定費が低い分を、食材にかけている」——これがうちのモデルです。

逆に、スタッフを多く雇い、家賃の高い店が同じ原価率49%をやったら一発で潰れます。原価率の数字だけで判断せず、自分の店のFL・FLR比率で考える。これが、数字に振り回されないための一番大事な視点です。→ 原価率49%でも成り立つ理由(くわしく)

FL比率を「武器」にするには記録が必要

FL比率は、意識するだけでは意味がありません。毎月ちゃんと記録して、はじめて使える数字になります。食材費・人件費がいくらで、売上に対して何%か。これが見えていないと、値上げの判断もコスト削減もできない。

とはいえ、この数字の管理が個人店には一番しんどいところ。私は数字が苦手なので、このあたりは税理士に任せて、本業に集中してきました。FLや利益の構造を一緒に見てもらえると、ぐっと楽になります。

税理士費用の相場は別記事で公開しています。→ 個人飲食店の税理士費用

この数字の話、実は私もちゃんと理解したのは数年経ってから。税理士さんに「原価率だけ見てちゃダメだよ、FLで見るんだよ」と教わって、ようやく腑に落ちました。数字が苦手でも、こういう”見方”を一つ知っておくだけで、ずいぶん経営が楽になります。

まとめ

原価率だけでなく、FL比率(食材+人件費=50〜60%)とFLR比率(+家賃=70%)でトータルに見る。これが、儲かる店と潰れる店を分ける数字の見方です。うちのように原価率が高くても、固定費が低ければ成立する。大事なのは目安の暗記ではなく、自分の店の構造に合った数字です。

👉 あわせて読みたい:原価率のリアル(49%の話)値段設定の考え方税理士費用

筆者プロフィール

ある地方都市で小さな個人飲食店を営む店主。開業から10年以上、家族経営のスタイルで営業を続けています。数字が得意なわけでも、敏腕経営者でもない。運とある程度の経験で、なんとかここまでやってきた感じです。このブログでは、そんな私が独断と偏見で、飾らずに正直に話します。成功法則より、現場のリアルを。

……と、偉そうに書いてしまいましたが、私自身もこうして記事を書きながら、あらためて勉強している身です。一緒に学んでいけたら嬉しいです。

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