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「これって経費で落とせるのかな?」——個人で飲食店をやっていると、毎日のように頭をよぎる疑問だと思います。
結論から言うと、事業のために使ったお金は、堂々と経費にしていい。これは、自分で事業をやる人に認められた正当な権利です。でも一方で、「何でもかんでも」というわけにもいかない。今回は、地方で10年以上小さな飲食店をやってきた私が、経費の考え方と、迷いやすいグレーゾーンを、自分の実感をまじえて正直にお話しします。
※税の最終的な判断は、年度やケースによって変わります。グレーな部分は、必ず税理士さんや税務署に確認してくださいね。

「これ経費になる?」の判断に迷ったら、税理士に任せるのが一番確実で気がラクです。費用のリアルはこちらにまとめています。
👉 個人飲食店の税理士費用を見るまず大前提:経費とは「事業のために使ったお金」
経費の基本はとてもシンプルで、「その店の売上を生むために使ったお金かどうか」です。食材の仕入れ、家賃、光熱費、割り箸や洗剤——このあたりは誰がどう見ても経費です。迷う余地はありません。
問題は、「事業」と「プライベート」の境目があいまいなものです。ここで「これも経費にしていいのかな?」と手が止まる。実は、ここをちゃんと落とせるかどうかで、手元に残るお金がけっこう変わってきます。
意外と落とせる経費【飲食店オーナーの実感】

① 勉強・研究のための外食
これは大きいです。同業のお店に食べに行くことは、立派な研究です。「あの店はこの値段でこの盛り付けか」「この味付けは参考になるな」と学んで、自分の店に活かす。これは事業のための飲食なので、経費(研究費)になり得ます。私もよく食べ歩きますが、ただ食べて終わりにせず、メモを残したり、メニューに反映したりしています。
② 仕入れ・食材探しのための旅費
いい食材を探しに遠出したり、産地を見に行ったりする旅費も、目的が事業なら経費になります。観光ついでだと線引きが微妙になりますが、「仕入れ先の開拓」「食材の勉強」という目的がはっきりしていれば、交通費や宿泊費を計上できる場面があります。
③ 自宅兼用なら「家事按分」
店と自宅が一体だったり、自宅で事務作業をしたりする場合、家賃・光熱費・通信費を、事業で使う割合に応じて経費にできます。これを「家事按分」といいます。全額は無理でも、「自宅の◯割は事業に使っている」という分は経費になります。割合の決め方は税理士さんに相談するのが確実です。
④ 厨房機器や内装は「減価償却」で数年に分けて
冷蔵庫やコンロ、内装工事のような高額なもの(目安10万円以上)は、買った年に全額経費にはできません。「減価償却」といって、決められた年数に分けて少しずつ経費にしていきます。ちょっとややこしいですが、これも立派な経費です。さらに、開業のときにかかった準備費用は「開業費」としてまとめておけて、黒字が出た年に経費としてぶつけられるという便利な仕組みもあります。このあたりは少し専門的なので、会計ソフトや税理士さんの力を借りるとラクです。
⑤ 家族に手伝ってもらうなら「専従者給与」
家族経営の店なら、ぜひ知っておきたいのが「専従者給与」です。青色申告をしていれば、お店を手伝ってくれる家族への給料を、経費にできます(事前の届け出など条件あり)。地方の小さな店は家族で回していることが多いので、これを使えるかどうかは大きい。私のまわりでも、「家族に払う給料が経費になるって知らなかった」という人は少なくないです。
一番のグレーゾーン:試作を家族に食べてもらうのは経費?
ここ、すごく迷いませんか。私もずっと気になっています。
新メニューの試作そのものは、事業の研究なので経費と考えられます。でも、その試作を家族に食べてもらった瞬間、「それは家庭の食費では?」という見方も出てきます。事業の試食なのか、ただの夕飯なのか——線引きが本当に微妙なんです。
私の感覚では、「お客さんに出す前提で、味の感想をもらうための試食」なら研究の一部だと思っています。でも、それを毎日の食事代わりにしていたら、さすがにやりすぎ。こういう「白でも黒でもないグレー」をどう扱うかは、自分だけで判断せず、税理士さんに見てもらうのが一番安心です。プロは「ここまではOK、ここからは危ない」という線を知っています。
「試作の試食」「家事按分の割合」みたいなグレーな判断こそ、税理士の出番です。一人で抱え込まず、相談できる相手を持っておくと安心ですよ。
👉 税理士を無料で探す(税理士ドットコム)もうひとつのグレー:まかないは「無料」だと給与扱いに?
家族や従業員に出す「まかない」も、実は線引きがあります。完全に無料で食べさせると、税務上は「給与(現物支給)」とみなされることがあるんです。一般には「本人にいくらか負担してもらう」「ひと月の食事代を一定額以下にする」といった条件を満たせば福利厚生費として扱える、と言われています。金額の目安は変わることがあるので、まかないをしっかり出している店は、一度税理士さんに確認しておくと安心です。
やってはいけない:家庭の支出を混ぜること
経費を「もれなく落とす」のは大事ですが、明らかに家庭の支出を事業経費に混ぜるのはダメです。家族の私的な買い物、事業と関係ない外食、プライベートの旅行——これらを経費にするのは、節税ではなく「脱税」になってしまいます。
税務調査が入ったときに説明できないものは、計上しないのが鉄則です。「これは何のために使ったか、人に説明できるか」を一つの基準にすると、判断しやすいと思います。
あわせて、家事按分の割合も「常識的な範囲」にしておくのが安全です。明確なルールがあるわけではありませんが、事業で使う割合を、面積や使う時間できちんと説明できることが前提です。何でもかんでも高い割合にすると、後で指摘されやすくなります。「これなら誰に聞かれても説明できる」という線を守るのが、結局は一番です。
そして実際に税務調査が入ったときに見られるのは、結局「その領収書が、いつ・誰と・何のためのものか」です。私がやっているのは、レシートの裏や手帳に「◯◯店・視察」「△△さんと打ち合わせ」と一言メモしておくこと。これだけで、後から自分でも思い出せるし、聞かれてもちゃんと説明できます。地味な習慣ですが、これが一番の備えになります。
結論:落とせるものは堂々と、でもやりすぎない
経費を正しく計上することは、自分で事業をやる人に認められた、れっきとした権利です。遠慮して落とし忘れるのは、もったいない。私のまわりでも、「これも経費でよかったのか」と後から気づく人は本当に多いです。
その一方で、グレーゾーンを攻めすぎるのは危険です。「落とせるものは堂々と落とす。でも、やりすぎない」——この線引きを、自分一人で抱え込まないことが大事だと思います。迷ったときに「これは大丈夫ですか?」と聞ける税理士さんがいると、本当に心強いです。攻めと守りのバランスを、プロと一緒に取っていくのがおすすめです。
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筆者プロフィール
ある地方都市で小さな個人飲食店を営む店主。開業から10年以上、家族経営のスタイルで営業を続けています。このブログでは、教科書には載っていない現場のリアルを、飾らず正直に発信しています。
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……と、偉そうに書いてしまいましたが、私自身もこうして記事を書きながら、あらためて勉強している身です。一緒に学んでいけたら嬉しいです。


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