個人店をやっていると、常連さんとの距離が自然と近くなります。
それはありがたいことだし、続けていく力にもなります。でも同時に、距離が近くなるからこそ難しくなることもある。常連さんとの距離感は、個人店の経営の中で一番繊細な部分かもしれません。
人を見て、距離感を変える
全員に同じ接し方をしていると、勘違いが生まれることがあります。
少し親しくなったことで、急にわがままになる方がいました。自分の都合に合わせて休みを変えてほしいと言ってきたり、他のお客さんがいる中で場の空気を壊すような発言をしたり。
悪気がないのはわかっています。でもそのままにしておくと、お店の雰囲気が変わってしまう。
だから、人を見て距離感を変えることが必要だと感じています。誰にでも同じように接することが「公平」なのではなく、その人に合った距離感を保つことが、結果的にお互いのためになると思っています。
「優しく突き放す」という選択
マナーが悪くなってきたお客さんには、少しずつ調整します。
例えば、他のお客さんに不快な思いをさせるような発言があった時には、その場でやんわり釘を刺します。強く拒絶するのではなく、「優しく突き放す」という感じです。
そこで気づいて変わってくれる方もいます。でも大体の場合、そのまま来なくなります。人間そう簡単には変わらないので、仕方がないと思っています。
来なくなることは寂しくもありますが、お店の空気を守ることの方が大切だと感じています。一人のお客さんのために、他のお客さんが居心地悪くなってしまっては本末転倒ですから。
理想は「尊敬し合える関係」
では、どんな常連さんとの関係が理想かというと、尊敬し合えるというか、お互いを大切に思える関係だと思っています。
自分がお客さんを大切に思っていると、お客さんもそう思ってくれる気がします。言葉にしなくても、伝わるものがある。
お店を大切に思ってくれているお客さんは、話すとわかります。言葉の端々から、ちゃんと伝わってくるんですよね。
そういうお客さんとの関係が積み重なっていくことが、個人店を続けていく一番の力になっていると感じています。
良いお客さんがいると、自然と同じように良いお客さんが集まってくる気がします。気づけばお店全体が心地いい空間になっていく。楽しく仕事ができるお店は、そうやってできていくものだと思っています。
開業したばかりの頃は、一人でも多くお客さんに来てほしいという気持ちが強いです。でも、だからこそ最初からちゃんとした関係を築いていくことが大事だと感じています。


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