【実体験】出張料理人の始め方|小料理屋10年+ケータリングの店主が許可・料金・集客を全部話す

開業・独立

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和食店主が出張先で持参した料理を仕上げている出張料理の様子

「いつか出張料理人として働きたい」「ケータリングを始めてみたい」——そう考えている料理人の方へ。

私は地方都市で家族経営の小料理屋を10年以上やりながら、出張料理・ケータリングも実際にやっています。ネットの「出張料理人 なるには」記事の多くは、取材や伝聞で書かれたもの。この記事は、実際にやっている当事者として、許可・料金・集客・現場のリアルを正直にお伝えします。

出張料理人とは? ケータリング・仕出しとの違い

まず言葉の整理から。ざっくりこう分かれます。

  • 出張料理人(出張シェフ)……お客様の家などに出向いて、その場で調理して提供する
  • ケータリング……自分の店などで作った料理を、会場に運んでセッティングする
  • 仕出し・宅配……作った料理を容器に詰めて届ける

「どこで作るか」が違い、これが次の許可の話に直結します。ここが一番大事です。

出張料理の許可3パターン(飲食店営業・菓子製造・臨時出店)の図解

【最重要】許可・資格は「どこで調理するか」で変わる

出張料理・ケータリングで一番気をつけるべきが、営業許可です。一般的な整理はこうなります。

どこで調理するか営業許可の扱い(あくまで一般的な目安)
A:客先のキッチンで毎回ゼロから調理して提供「調理した場所」に紐づく考え方で、現行の運用では資格・届出が不要とされることが多い(※法令の明文ではなく運用解釈)
B:自店・自宅で仕込み→客先で仕上げ仕込みをする調理場に飲食店営業許可・届出が必要とされる
C:自店で作って運ぶ(ケータリング・仕出し)調理場に飲食店と同様の営業許可が必要

⚠️ 重要な注意:これはあくまで一般的な整理です。「営業」に当たるか(反復継続して事業的な規模でやるか)や、具体的な線引きは自治体・保健所によって判断が分かれます。始める前に、必ず管轄の保健所に確認してください。無許可での営業は食品衛生法違反になり得ます(罰則あり)。ここは絶対に自己判断で進めないでください。

そのうえで、私の実体験を一つ。私は店(小料理屋)の飲食店営業許可を持っているので、店の厨房で仕込んでケータリングを出せています。逆に言うと、許可を持つ店舗があると、出張・ケータリングの幅が一気に広がる。これから本格的にやるなら、自分の調理場(店)の許可を起点に考えるのが、現実的で安全な道だと感じています。

出張料理人の始め方|5ステップ

  1. 働き方を決める……完全独立/プラットフォーム所属/店舗の延長(私はこれ)
  2. 調理器具・運搬・メニューを準備……持ち運べる道具、保温・保冷、こぼれ防止
  3. 料金を設計する……交通費・食材・拘束時間を踏まえて「手取りが残る」価格に
  4. 集客チャネルを決める……プラットフォーム or 紹介・SNS(後述)
  5. 当日の運営と会計……現地での調理・提供・片付け・お会計

料金相場と収益性のリアル

料金の相場は、おおよそこのくらいと言われます(地域・内容で変わります)。

  • 1人あたり:3,000〜20,000円(ランチ3,000円〜、ディナー5,000〜10,000円が中心)
  • 1件の総額:4〜6万円程度が多い(コース料金×人数+交通費+食器など)

注意したいのは、交通費・食材費・拘束時間を引くと、手取りは想定より減ること。「1件◯万円」の額面に惑わされず、移動と仕込みの時間まで含めて「時給いくらか」で考えるのが、長く続けるコツです。出張料理も立派な個人事業。開業届や確定申告も必要になります。数字が苦手なら、早めに税理士に相談しておくと安心です。

集客|プラットフォーム vs 紹介・SNS

集客は、出張料理で一番むずかしいところです。大きく2つ。

プラットフォーム(シェアダインなど)に登録すると、すぐに依頼の入口ができます。手数料はかかりますが、最初の実績づくりには有効。一方、紹介・SNS・口コミは手数料がかからず、客層も絞りやすい。私の場合は、店の常連さんや地域の信用がそのまま出張・ケータリングの依頼につながりました。10年やってきた店の信頼が、こういう時に効いてきます。

客先キッチン・運搬・片付けの現場(実体験)

意外と語られないのが、現場の泥臭さです。

客先のキッチンは、火力もコンロの数も調理器具もバラバラ。だから事前のヒアリングが命です。コンロは何口か、オーブンはあるか、大きい鍋は持参か——ここを詰めておかないと、当日に詰みます。運搬も、保温・保冷・こぼれ防止が必須。そして終わった後の片付け・原状復帰まできっちりやって、はじめて「また呼びたい」と思ってもらえます。

出張先の会計、どうする?|持ち運べる決済が正解だった

見落としがちですが、出張先ではお会計も発生します。店のレジは持っていけない。現金だけだと、お客様が「カードで払いたい」と言ったときに困る。

私は、店舗用とケータリング用の決済を、Airペイ1つのアカウントでまとめて管理しています。タブレットと小さなカードリーダーだけ持っていけば、出張先でもカード・QR・電子マネーで会計できる。これが本当にラクでした。出張・ケータリングをやるなら、持ち運べるキャッシュレスは早めに用意しておくのをおすすめします。→ Airペイの手数料を実額公開(持ち運べる決済の話)

向いている人・メリットとデメリット

メリットは、店舗より初期費用を抑えて始められる/お客様と近い/店とケータリングの両輪で繁閑を埋められること。デメリットは、集客が大変/一人で全工程をこなす負担/スケジュール管理を誤ると私生活が消えること。料理の腕だけでなく、段取りと体力、そして数字の管理ができる人が向いています。

許可まわりは、私も自信満々で書けるわけではありません。地域によって保健所の言うことが違ったりもする。実際、知り合いの料理人は別の市で同じことを聞いたら違う答えだったそうです。だから「これが正解」と鵜呑みにせず、必ず自分の地域で確認してくださいね。

まとめ|許可を起点に、小さく始める

出張料理・ケータリングは、許可のことさえ正しく押さえれば、店舗より身軽に始められる魅力的な働き方です。まずは管轄の保健所に相談し、自分の調理場(許可)を起点に、小さく始めてみてください。

開業全体の流れは 飲食店を開業したい人へ、お金まわりは 個人飲食店の税理士費用 もあわせてどうぞ。

筆者プロフィール

ある地方都市で小さな個人飲食店を営む店主。開業から10年以上、家族経営のスタイルで営業を続けています。数字が得意なわけでも、敏腕経営者でもない。運とある程度の経験で、なんとかここまでやってきた感じです。このブログでは、そんな私が独断と偏見で、飾らずに正直に話します。成功法則より、現場のリアルを。

……と、偉そうに書いてしまいましたが、私自身もこうして記事を書きながら、あらためて勉強している身です。一緒に学んでいけたら嬉しいです。

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