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お店を始めると、本当に営業の電話が増えます。電力会社、SNS運用代行、食べログ、そしてキャッシュレス決済の代行会社……。仕込みや営業で忙しい時間に、次から次へとかかってきます。
今回は、その中でも特に多い「決済代行の営業電話」に、契約すべきかどうかを、地方で10年以上小さな店をやってきた私の本音でお話しします。先に結論を言うと、営業電話で、その場で契約する必要はまったくありません。なぜそう言えるのか、実際に来た電話をどう判断したかも含めて、正直に書きます。
※決済サービスの料金・手数料・条件は会社や時期で変わります。本記事の数字は一例なので、契約前に必ず各社の公式サイトや契約書面で最新の条件を確認してください。

結論:営業電話で「今すぐ契約」はしなくていい
決済代行の営業は、たいてい「今だけお得です」「今日中なら初期費用無料」と急かしてきます。でも、本当に良いサービスなら、来週でも来月でも契約できます。急かしてくる時点で、いったん落ち着いて大丈夫。その場の勢いで判断しないことが、後悔しない一番のコツです。
契約して後悔しやすいパターン
① 月額固定費の「縛り」
一番気をつけたいのが月額固定費です。「月◯円で全部使えます」と言われても、それは決済を使っても使わなくても、毎月必ず出ていくお金。さらに「最低◯年契約」「途中解約は違約金」といった縛りがついていることもあります。
② 端末がリースだと、やめるとき高くつく
端末が「リース」の場合は特に注意。途中で解約しようとすると、残りのリース料をまとめて請求される——いわゆる残債が発生することがあります。「端末0円」の裏に、長期のリース契約が隠れていないか確認しましょう。
注意したいのは、こうした事業者向けの契約は、原則クーリングオフの対象外になりやすいこと。個人の買い物のように「8日以内なら無条件で解約」とはいかない場合が多いんです。だからこそ、契約してから後悔しないように、入る前にしっかり確認することが大事です。
③ 入金サイクルが遅いと資金繰りが苦しくなる
決済サービスによって、入金のタイミングは違います。早ければ翌営業日、遅くても週1回や月数回というのが、今は一般的です(昔のように何か月も待たされる、ということはまずありません)。飲食店は仕入れや家賃が先に出ていくので、入金は早いに越したことはない。同じ手数料率でも、翌日入金と月数回入金とでは、資金繰りへの効き方がかなり違います。だから手数料率だけでなく、いつ入金されるかも必ず見てください。
これは身にしみて感じていることですが、うちは仕入れの支払いが、酒屋さんも食材屋さんも魚屋さんお肉屋さんも、みんな「その場で現金」なんです。とくに魚屋さんは金額が一番大きいので、ときには少し待ってもらうこともあるくらい。じつは、私が修行していたお店は月払い(掛け)でしたが、開業したばかりだと信用がないので、現金払いになりがちです。よそのお店がどうかは分かりませんが、うちはずっと現金。お金が出ていくのは早いんです。
一方で、法人相手の売上(接待や出張料理など)は、入金が翌月・翌々月になることもあって、しかもそういうときに限って金額が大きい。出ていくのは早く、入ってくるのは遅い——飲食店はこの時間差との戦いです。だから、どちらにしても、入金は早いに越したことはない。決済サービスを選ぶときも入金の早さは大事に見ていますし、最低限の現金の余裕は、いつも持っておくようにしています。
ただ、現金払いには「使いすぎない」という良さもあります。月払い(掛け)は便利ですが、しっかりお金を管理できていないと、後でまとめて来る請求にゾッとすることになりかねません。「今ある現金の中でやりくりする」ほうが、私のような数字が得意でない人間にはかえって安心だったりします。入金が早いか遅いか、現金か掛けか——こういうお金の流れを自分なりに把握しておくことが、お店を長く続ける土台になります。

契約前に必ず見る9つのチェックリスト
- 月額固定費はいくらか(0円か/何年目から有料になるか)
- 決済手数料率(クレジット・QR・電子マネー別)
- 入金サイクル(翌日/週1/月1〜2回)は自店に合うか
- 振込手数料は無料か、いくらか
- 最低利用期間・解約金(違約金)の有無
- 端末は買取か・レンタルか・リースか(リースは残債に注意)
- 初期費用・端末代(無料の裏に縛りがないか)
- 自分の店の客層が使う決済ブランドに対応しているか
- 契約相手は決済会社本体か、間に入る代理店か
そして、もし契約に進むとしても、その場でサインしないこと。「今日中なら」と言われても、いったん契約書を持ち帰って、落ち着いて読みましょう。とくに「最低契約期間」と「中途解約金(違約金)」の欄は、指でなぞって必ず確認してください。ここを見落とすと、やめたいときにやめられません。良心的な会社なら、持ち帰って検討することを嫌がりません。
【実例】月10〜20万の店に、月額固定費は損か得か
先日、まさにUSEN PAY(ユーセンペイ)の営業電話がうちにもかかってきました。提示された条件は、営業の方いわく「月の決済額が50万円以上なら月額利用料が安くなるが、それ以下だと月額1,980円+手数料2.38%〜」というもの(※この条件は営業から聞いた話なので、正確な内容は公式で確認してください)。
うちのカード決済は月に10〜20万円ほど。ここで月額1,980円を払うと、年間で約2.4万円の固定費です。月20万の決済で考えても、その固定費を手数料の差で取り返せるほどの金額ではない。「うちの決済額だと、月額を払うメリットはほとんどないですね」とお伝えして、丁重にお断りしました。
これは決して「USEN PAYが悪い」という話ではありません。決済額の多い大きな店なら、十分アリだと思います。要は自分の店の決済額しだい。月額固定費は、決済が少ない小さな店ほど重くのしかかる——ここを冷静に計算するのが大事です。
私が「断ったもの/選んだもの」
参考までに、私がこれまで決済まわりでどう取捨選択してきたかを正直に書きます。
- USEN PAY……月額固定費が、うちの決済額には重いので断った。
- STORES決済……手数料は安かったが、当時は月3,000円ほどのプランで、固定費が見合わず見送った。
- 以前使った別のモバイル決済……始めたら営業の電話が増え、端末も大きくて出張に持ち出せず、離れた。
- Airペイ……月額0円で、出張にも持ち運べて、対応ブランドも広い。今はこれに一本化しています。
共通しているのは、「月額固定費がかからないか」を一番に見ているということ。小さな店にとって、毎月の固定費は本当に効いてくるからです。
Airペイ・Square・STORESを実際に比べた話は、こちらの記事でくわしく書いています。
👉 決済端末3社の比較を見るその電話、本物? なりすまし営業の見分け方
もう一つ、頭に入れておきたいのが「なりすまし営業」の存在です。有名な決済サービスの名前を出して、いかにも公式のような顔で電話してくる業者もいます。実際、大手の決済会社が「当社を名乗る営業電話にご注意ください」と公式に注意喚起しているほどです。
私が「これは身構えたほうがいい」と感じるのは、こんな切り出し方です。
- 「○○ペイと統合されるので、登録が必要です」と、いかにも義務のように急かしてくる
- 「国の方針で、いずれ加盟が必須になります」と、もっともらしい理由をつけてくる
- 電話口で口座番号や加盟店の情報、暗証番号を聞き出そうとする
「統合されるから登録が必要」「国の方針で必須」といった話は、基本的にうのみにしないほうが安全です。本当に必要な手続きなら、電話一本で急かされることはまずありません。そして口座番号や暗証番号を電話で聞かれたら、その時点で応じない。これは本物・偽物に関わらず、鉄則だと思っています。少しでも「あやしいな」と感じたら、いったん電話を切って、その会社の公式サイトに載っている番号に自分からかけ直すのが一番確実です。
しつこい営業電話の、かしこい断り方
断るときは、はっきり「結構です」と伝えて切るのが一番です。「検討します」と言うと、また電話がかかってきます。決済の営業なら「うちの決済額だとメリットがないので」と理由を一言添えれば、たいてい引き下がってくれます。
それと、見分け方のコツも。私の感覚では、営業電話は「050」から始まる番号が多いです。最近は「070」から始まる番号も増えてきました。知らない050・070番号は、最初から少し身構えて出るようにしています。
ただし、ここで一つ注意も。営業電話は、たいてい「お忙しいところすみません」と丁寧に切り出してきます。最近は080から始まる番号のこともあります。それで「営業だな」と思って「結構です」と切ろうとしたら、実はお店のお客さんからの予約の電話だった——なんてことも、たまにあるんです。だから、いきなり切るのではなく、「ご予約でしたか?」と一言聞いてから判断すると安心です。大事なお客さんを取りこぼさないためにも、ここだけは慎重に。
もし店の電話を携帯電話にしているなら、「電話帳ナビ」のような迷惑電話を自動で判別してくれる無料アプリを入れておくと便利です。着信のときに「この番号は営業の可能性」と表示してくれるので、出る前に判断できます。
ただ正直に言うと、うちは固定電話なので、このアプリが使えません。お客さんの番号を登録できる数も限られているし、迷惑電話の判別もできない。こういうときは、固定電話の不便さを感じます。これから開業する方は、店の電話を携帯にしておくのも、地味だけど一つの手だと思います。
それともう一つ、私がよくやるのが「会社名と担当者のお名前、いただけますか?」と先に聞くこと。きちんとした会社なら、ふつうに名乗ってくれます。逆に、ここで言い淀んだり、はぐらかしたりするようなら、それだけで「あやしい」と判断できます。聞いておけば、もし後からしつこくかかってきたときの記録にもなります。断る前のひと手間ですが、これが意外と効くんです。
小さな店が選ぶなら「固定費のかからない」決済を
いろいろ書きましたが、結論はシンプルです。月の決済額がそれほど多くない小さな店なら、月額固定費のかからない決済サービスを選ぶのが、一番リスクが低い。使った分の手数料だけで済むので、決済が少ない月でも負担になりません。
私自身は、月額0円で、携帯電話と、それよりも小さい機械だけで出張にも使える、Airペイに落ち着きました。母体も大きく、使ってるお店も多いので無くなることもないでしょう。営業電話を待つより、自分で条件を調べて選ぶほうが、ずっと納得して使えます。
Airペイは月額固定費0円で、申し込みもオンラインで完結します。今のキャンペーンや条件は公式で確認できます。
👉 Airペイ公式で最新の条件を確認するまとめ:営業電話は「断る勇気」も大事
決済代行の営業電話は、これからも何度もかかってきます。でも、急かされても、その場で契約しないこと。月額固定費・解約条件・入金サイクルをチェックして、自分の店の決済額で損得を計算する。それで「合わない」と思ったら、はっきり断っていい。
断るのも、立派な経営判断です。お店のお金を守るのは、ほかでもない自分自身ですから。
……と、偉そうに書いてしまいましたが、私自身もこうして記事を書きながら、あらためて勉強している身です。一緒に学んでいけたら嬉しいです。
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筆者プロフィール
ある地方都市で小さな個人飲食店を営む店主。開業から10年以上、家族経営のスタイルで営業を続けています。このブログでは、教科書には載っていない現場のリアルを、飾らず正直に発信しています。→ 詳しいプロフィールと「書くときの約束」はこちら
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