PayPayなどQR決済は飲食店に必要?現役店主が実体験で本音を解説

経営・お金

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「PayPay、うちも入れたほうがいいのかな?」——これから開業する方や、まだキャッシュレスを入れていない小さなお店の方から、よく聞かれる悩みです。ネットで調べると「もうキャッシュレスの時代!入れないと損!」という記事ばかりで、なんだか焦ってしまいますよね。

今回は、地方で10年以上小さな飲食店をやってきて、実際にPayPayを使っている私の本音を、正直にお話しします。先に結論を言うと——QR決済は「入れておいて損はない、でも焦って急ぐ必要もない」。理由を、うちのリアルな数字とあわせて書いていきます。

※手数料・料金・入金サイクルは、プランや契約時期、地域によって変わります。本記事の数字は2026年時点の一例なので、契約前に必ず各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。

レジ横のQRコード決済サインの前で、スマホをかざしてPayPayで支払う客と笑顔で対応する飲食店の店主

うちは「手数料が無料だったから」カードより先に入れた

正直に打ち明けると、うちがPayPayを導入した一番の理由は、当時、加盟店の手数料が無料だったからです。PayPayは、サービス開始からしばらく「お店側の決済手数料0円」で加盟店を集めていた時期がありました(2021年9月末まで)。「タダで使えるなら、とりあえず入れてみるか」——そんな軽い気持ちで、クレジットカード決済よりも先にPayPayを入れたんです。

今は2021年10月から手数料がかかるようになりましたが、それでも「あのとき無料で試せてよかったな」と思っています。お客さんが実際にどれくらいQRで払うのか、体で分かったからです。この「まず試してみる」ができたのは、初期費用も月額も0円で始められたおかげでした。

うちの支払いは「現金 → カード → PayPay」の順

ここが、ネット記事ではあまり語られない正直なところです。10年やってきて、うちのお客さんの支払い方法は、多い順にこうです。

  1. 現金(いちばん多い)
  2. クレジットカード
  3. PayPayなどのQR決済

そう、地方の小さな店では、まだ現金がいちばん多いんです。「もう時代はキャッシュレス」と煽る記事もありますが、うちの現場の実感は違います。とはいえ、カードやPayPayで払う方も確実にいます。だから私は、「無理に急がなくていい。でも選択肢は用意しておいたほうがいい」——これが正直なところだと思っています。

お店にとって、支払いの手段が増えるのは、お客さんにとって都合が良くなるということ。「現金しかダメ」より「どれでもいいですよ」のほうが、お客さんは気持ちよく払えます。私がQR決済を続けている理由は、結局そこに尽きます。

現金・クレジットカード・QRコード決済など複数の支払い方法から選べる飲食店の会計カウンター

手数料は「自分の店の決済額」で損得を計算する

QR決済で一番気になるのが手数料ですよね。PayPayの場合、お店が払う決済手数料は1.98%(税別)が基本です。ただし、月額1,980円(税別・税込2,178円)の「マイストア ライトプラン」に加入すると、手数料が1.60%(税別)に下がります(2026年時点。詳しくは公式で確認を)。

ここで大事なのが、月額1,980円を払ってプランに入るべきかどうかです。手数料の差は「1.98%−1.60%=0.38%」なので、月のQR決済額がおよそ50万円を超えないと、月額1,980円の元が取れません。つまり、決済額が少ない小さな店は、プランに入らず1.98%のまま使うほうが得なことが多いんです。

「1.98%」を自分の店の決済額で計算してみましょう。QR決済が月に10万円のお店なら手数料は月に2千円ほど、月に30万円なら月6千円ほど。これを「高い」と見るか「お客さんが気持ちよく払えるための必要経費」と見るかは、お店しだいです。

ここで大事なのは、月額固定費のあるプランは、決済額が少ないお店ほど重くのしかかるということ。これは決済まわり全部に共通する考え方で、うちが決済端末を選んできたときも、いつもここを基準にしてきました。決済端末そのものの選び方は、こちらの記事でくわしく書いています。

👉 飲食店の決済端末はどれがいい?Airペイ・Square・STORES比較

入金のタイミングにも注意(現金との違い)

もうひとつ、現金との大きな違いが入金のタイミングです。現金ならその日のうちに手元に入りますが、QR決済はいったんPayPay側にお金が入り、あとでまとめてお店の口座に振り込まれる形になります。PayPayの場合、月末締めで最短翌日の入金、振込手数料は無料(PayPay銀行以外への早期振込は別途手数料)というのが基本です。

飲食店は、仕入れや家賃が先に出ていく商売です。売上が手元に入るまでに時間差があると、その分だけ資金繰りを意識しておく必要があります。とはいえPayPayは入金サイクルが早いほうなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫。ただ「現金と同じ感覚でいると、月の資金の動きがちょっとズレる」——これは頭の片隅に置いておくといいです。

QR決済を「入れたほうがいい店」「急がなくていい店」

正直に、私なりの線引きを書いておきます。公式サイトは絶対に「入れなくていい」とは言いませんが、現場の感覚では、こう思います。

入れておいたほうがいい店:

  • 若いお客さんや、会社帰りの方が多い店
  • 「PayPay使えますか?」と聞かれることが増えてきた店
  • ランチなど、会計をスピーディーに済ませたい店

急いで入れなくてもいい店:

  • 常連さんが中心で、ほとんど現金で回っている店
  • QR決済の額がごく少なく、月額プランの固定費が見合わない店

とはいえ、PayPayは初期費用も安く、まず試してみて「合わなければやめる」もできます。だから私は、「迷うくらいなら、選択肢として入れておく」のがいいと思っています。お客さんに「使えません」と言う場面を減らせるのは、小さな店にとって地味に大きいですから。

営業電話で急かされて契約しないこと

最後にひとつ注意を。決済まわりは、とにかく営業電話が多い世界です。「今なら初期費用無料」「今日中なら」と急かされても、その場で契約しないこと。良いサービスなら、来週でも来月でも契約できます。この話は別の記事にまとめているので、営業電話に困っている方はあわせて読んでみてください。

👉 飲食店の決済代行の営業電話、契約すべき?見極め方と断り方

まとめ:焦らず、でも選択肢は用意しておく

QR決済は、「もう入れないと時代遅れ」と煽られるようなものではありません。うちのように、地方の小さな店では今も現金が主力です。それでも、お客さんの支払いの選択肢を増やしておくことは、お店にとってもお客さんにとってもプラスになります。

手数料は自分の店の決済額で損得を計算し、月額固定費が見合うかを冷静に見る。急かす営業電話には乗らない。そのうえで「合いそうだ」と思ったら、まず試してみる。それくらいの気持ちでちょうどいいと思います。

ちなみに、PayPayなどのQR決済とクレジットカードをまとめて1台で扱いたいなら、Airペイのような決済サービスを使う方法もあります。月額固定費0円で、対応できる支払い方法が幅広いのが特徴です。手数料の実額や使い勝手は、こちらでも書いています。

👉 Airペイの手数料を実額公開

……と、いろいろ書きましたが、私自身もまだまだ手探りでやっている一人です。お店に合ったやり方を、一緒に見つけていけたら嬉しいです。

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筆者プロフィール

ある地方都市で小さな個人飲食店を営む店主。開業から10年以上、家族経営のスタイルで営業を続けています。このブログでは、教科書には載っていない現場のリアルを、飾らず正直に発信しています。→ 詳しいプロフィールと「書くときの約束」はこちら

📌 関連記事(新着):飲食店の営業許可の取り方10年続けて思うこと

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